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顧問弁護士が監査役を兼任する場合の問題点とは
顧問弁護士が監査役を兼任する際の問題点
顧問弁護士が監査役を兼任する場合には、いくつかの問題点が生じる可能性があります。以下に、それらの問題点について詳しく説明します。
顧問弁護士の役割と監査役の役割
監査役の役割は、株式会社において取締役の職務を監査し、会社の利益を保護することです。一方、顧問弁護士は、会社内で発生する法律問題や法的な課題について助言を提供し、法的なサポートをする役割を担います。これらの役割には、異なる視点や責任が存在します。
兼任の法的な制約
法律上、弁護士が取締役としての役職に就いている場合、監査役を兼任することは制約されています。しかし、弁護士であっても、取締役の指示に従う「使用人」として雇われている場合は、監査役になることは法律上禁止されています。このため、顧問弁護士が監査役を兼任する場合、彼らの立場や契約条件によって制約が生じる可能性があります。
日本弁護士連合会(日弁連)の見解
日本弁護士連合会は、企業内でのみ勤務し、他のクライアントからの依頼を受けない企業内弁護士は、法的に「使用人」と見なされるため、監査役を兼任することはできないとの立場を取っています。ただし、他のクライアントからの依頼も受ける法律事務所に所属する弁護士は、通常、監査役を兼任することができます。
利益相反の問題
顧問弁護士が監査役として兼任する場合、利益相反の問題が生じる可能性があります。顧問弁護士は、会社の利益を保護する一方で、取締役からの指示に従う立場にあります。そのため、取締役の不正行為や法令違反に対して適切に対応することができるか疑問が生じます。また、会社による取締役の責任追及や訴訟についても、監査役が会社を代表して判断することになります。
他の弁護士への依頼の問題
企業が監査役として顧問弁護士を兼任している場合、企業は他の弁護士に依頼することが制約される可能性があります。例えば、企業が取締役に対して訴訟を起こす必要がある場合、監査役である顧問弁護士がその訴訟を担当することは難しいでしょう。
顧問弁護士が監査役を兼任する際の追加の問題点
これらの問題点を踏まえると、顧問弁護士が監査役を兼任する場合には、法的な制約や利益相反の問題が生じる可能性があります。加えて、日本弁護士連合会の立場や他の弁護士への依頼に関する制約も考慮する必要があります。
監査の公正性と独立性の問題
監査役は、会社の業績や財務状況を客観的に評価し、株主や投資家の利益を保護する役割を果たします。しかし、顧問弁護士が監査役を兼任する場合、その公正性や独立性が疑問視される可能性があります。顧問弁護士は、会社の法的な代理人としての役割を果たすため、会社の利益に関わる重要な決定をする取締役と関係を持っています。そのため、監査役としての客観性や独立性が損なわれる可能性があります。
監査報告書の信頼性の問題
監査報告書は、会社の財務諸表の正確性や会社の内部統制の有効性についての監査結果を示す重要な文書です。しかし、顧問弁護士が監査役を兼任する場合、監査報告書の信頼性が疑問視される可能性があります。これは、彼らが会社の利益を最大化する立場にあるため、問題や不正を隠ぺいする可能性があるからです。
コンプライアンスと法的リスクの管理の問題
顧問弁護士が監査役を兼任する場合、コンプライアンスや法的リスクの管理においても問題が生じる可能性があります。監査役は、会社が法令や規制に適合していることを確認する責任がありますが、顧問弁護士は会社の法的リスクを最小化することが主な目的です。そのため、彼らが法的リスクを適切に評価し、適切なコンプライアンス対策を講じるかどうかについて疑問が生じる可能性があります。
まとめ
以上が、顧問弁護士が監査役を兼任する場合に生じる可能性のあるさらなる問題点です。これらの問題は、顧問弁護士の立場や役割、法的な制約、利益相反、公正性と独立性、監査報告書の信頼性、コンプライアンスと法的リスクの管理に関連しています。企業は、これらの問題を適切に評価し、適切なガバナンス体制を確立することが重要です。
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