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連結決算: 事業グループの透明性と信頼性を高める手法
連結決算とは
「連結決算」は、企業グループが子会社を有する場合に、グループ全体の経営成績とキャッシュフローを正確に把握するための手法です。このプロセスでは、グループ企業間の取引を排除し、連結財務諸表を作成して、グループ全体の正確な経営状況を明示します。 連結決算の必要条件は、主に二つあります。まず、企業は有価証券報告書を提出している必要があります。これは、投資家が公正な判断を行うために必要な書類であり、投資家が株の購入を検討する企業の財務状況を詳細に把握するために、連結決算が不可欠です。次に、大会社の条件として、資本金が5億円以上かつ負債総額が200億円以上の株式会社とされています。 また、連結対象となる子会社には一定の条件があります。これには、保護する議決権の過半数を有することが条件であり、過半数を有するか否かで具体的な条件が異なります。過半数の場合、議決権が50%以上である必要があり、40%〜50%の場合は緊密者や同意者が一定数以上いること、0%〜40%の場合も同様に緊密者や同意者が過半数以上いることが求められます。 連結決算は、グループ企業内で投資家や債権者に不利益な操作が行われないようにするために必要です。条件を満たすグループ企業にとっては、連結決算が求められますが、連結決算自体には発生するデメリットはなく、むしろ以下のメリットが存在します。まず、グループ企業全体の経営状況を正確に把握できる点が挙げられます。また、銀行からの融資期間が短縮される可能性も高まります。 一方で、連結決算には時間と手間がかかるというデメリットも存在します。各子会社の決算資料を合算し、修正する作業は複雑であり、勘定科目や会計システムの違いが増えるほど担当者の負担も増加します。連結決算のデメリットは主にこの手間と時間に起因しており、慎重かつ効率的なプロセスが求められます。
連結財務諸表の構成
連結財務諸表は主に以下の4つから構成されています。
1. 連結貸借対照表
グループ全体の財務状況を示し、全部連結法や持分法が利用されます。これにより、親会社の支配力が認められる子会社と、親会社の影響力が認められる関連会社が区別されます。
2. 連結損益計算書
グループ全体の経営成績を明示し、売上高や経費などの項目が含まれます。
3. 連結キャッシュフロー計算書
会計期間における収支を示し、キャッシュの流入・流出を記録します。
4. 連結株主資本等変動計算書
純資産の変動を報告し、親会社および子会社の出資や配当の影響を示します。
連結貸借対照表には、前期末残高、当期変動額、変動事由、当期末残高の項目が含まれ、これにより1年間における資産の変動理由が把握できます。
連結財務諸表の作成手順
連結財務諸表の作成までの手順は以下の4つです。
1.各会社ごとに個別の財務諸表を作成
会計上の処理方法を統一させ、整合性を保ちます。この際、国内外の規制や法令も考慮し、適切な基準に基づいて情報をまとめます。
2.個別財務諸表の合算
各会社の財務諸表を合算していきます。この際、外国子会社がある場合は為替差損益も考慮し、正確な合算を行います。
3.連結修正仕訳の実行
合算した内容から、グループ企業内のやり取りを除外するために、親子間取引の相殺や未実
現損益の消去などの修正を行います。これにより、連結財務諸表が正確なものとなります。
4.連結財務諸表の作成
修正を加えたものを元に、連結財務諸表を作成します。これにより、グループ全体の経営状況や財務の健全性が明確になります。
連結決算は通常の決算と同様に行われ、子会社の数が増えれば処理が複雑になります。ただし、慎重で計画的な事前準備によって、これらの作業の負担を軽減できます。決算時期に焦らず、専門家や税理士と連携しながら、連結決算の準備を進めましょう。連結決算は企業の透明性を高め、投資家やステークホルダーとの信頼関係を築く重要なプロセスとなります。
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